作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう! (パリ・レヴュー・インタヴュー I)


軽いノリのタイトルに比べて、作家陣がなかなかの大物ぞろい。資料としても貴重です。
特殊なのは、インタビューの前に小説のような描写があること。
まるで、自分もその場にいるかのような錯覚を味わえます。

作家陣

イサク・ディネセン
トルーマン・カポーティ
ホルへ・ルイス・ボルヘス
ジャック・ケルアック
ジョン・チーヴァー
ポール・ボウルズ
レイモンド・カーヴァー
ジェームス・ボールドウイン
トニ・モリスン
アリス・マンロー
イアン・マキューアン


インタビューだから内容もわかりやすいです。
文学理論書にありがちな難しい言葉はほとんどありません。
インタビュー自体は古いものですが、内容は古びていません。
だけではなく文章を書く人なら、心を打つものが必ずあるでしょう。とても示唆にとんでいます。


作家の個性もふんだんに表れていて、読み物としてもおもしろい本です。
たとえば、ジェームズ・ボールドウィン

なんでも読んだ。十三歳までにハーレムのふたつの図書館を読み尽くした。(p251)

かっこいいですね。

内容についてあまり引用しすぎるのもあれなので、トニ・モリスンの言葉を置いておきましょう。

書いていてむずかしいところは――むずかしいところはいっぱいあるけど――なにも聞こえていない読者にむかってページの上から静かに働きかけることのできる言葉を書くこと。そのためには、言葉と言葉のあいだにあるものにとりわけ注意深く取り組まなくちゃいけない。言葉として出されていないものに。節回しとかリズムとか、そういったもの。書いてるものにしばしばパワーをくれるものは、言葉としては書かれてないものなのよ。(p289)

猫になることができる小説5編

はじめに


塀の上や軒下でのんびりしている猫を見ると、自分も一度は猫になってみたいと思ったことはないでしょうか?
というわけで今回は猫になることができる小説を5編集めてみました。

ポール・ギャリコ『ジェニィ』

ジェニィ (新潮文庫)

ジェニィ (新潮文庫)


猫好きと知られたポール・ギャリコの名作です。猫になって大冒険することができます。長編です。
いじわるな猫が現れたり、かわいい猫が現れたりします。
普通におもしろい冒険小説です。

2ジャンニ・ロダーリ『猫とともに去りぬ』

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)


こちらは短編です。家出をしたおじいちゃんが猫になる話。広場では同じように人間が嫌になって猫になった人たちが大勢いて、猫ライフを楽しみます。
五分で楽しめる短編でありながら、ユーモアと愛があって大変にオススメです。

西澤保彦『いつか、ふたりは二匹』


眠りにつくと猫の体に乗り移れる少年が主人公です。
猫になって悲惨な事件を解き明かそうとします。ほのぼのしつつ西澤保彦ならではの毒もあります。どんでん返しもありますよ。

小路幸也『猫と妻と暮らす』


自分ではなく妻が猫になってしまう小説です。
一風変わった世界で、心あたたまります。

保坂和志『明け方の猫』

明け方の猫 (中公文庫)

明け方の猫 (中公文庫)


いままであげた4つの小説がキャラクター的な猫に対して、『明け方の猫』は猫になったときの感覚がリアルに描かれている傑作です。
本格的に猫になりきることができます。文章がやや難しいですが、読んでいて不思議な感覚に受けいること絶対です。

おわりに


猫になることができる小説5編紹介しました。
どれも普通におもしろいですよ。
お気に召すものがあれば幸いです。