「僕らが毎日やっている最強の読み方」

 

 

新聞は2紙読む。1紙は定期購読で、もう1紙は買う。身銭を切らないと身につかないから。

身銭を切るのは、書籍も同じ。お金を払うからこそ、もとを取ろうと読まざるをえなくなる。

ネットの情報は、もともとは新聞などのもの。精度も低い。新聞を読むのが一番正確であり、コスパが高い。

かといって、ただ新聞を読んでいるだけでは身につかない。基礎を理解していないと、頭に定着しないからだ。

基礎を学ぶのに一番いいのが教科書。教科書は本屋でも手に入る。

panpanya『動物たち』感想

動物たち

動物たち

いつもよりカラー多め。警察官スタイルの主人公も見れる。安心のpanpanyaワールド。

とくに気に入ったのは最後の方の「グラスホッパー・アドベンチャー」というお話。
川で溺れているバッタのために笹舟を作ってあげる。そのまま流されていくバッタを追いかけるという内容。

川ってどこまでも行くんだろうと考えたことあったな、と懐かしくなった。

「動物たち」とタイトルになっているとおり、今回は動物が多め。亀やらムジナやらが出てくる。

宮崎夏次『夕方までに帰るよ』感想

はじめて宮崎夏次系の漫画を読みました。買った理由は、なんとなくおもしろそうだったから。読んだ感想は、なんだかおもしろかった。
家族の話?ということになるのかな。
両親がイカサマ教団に洗脳されていたり、アパートで姉が引きこもっていたりする。両親は畑を作るため平気で家を半分壊すクレージーさをもっている。だけど主人公の柊一くんは、幸せそうな両親を見て「喧嘩ばかりする前よりマシだからいい」と思う。
姉のアパートに訪れたら、段ボールで要塞を作って引きこもっているで、よくわからない。しかも引きこもりを飼っているという男まで現れる。
不思議な世界観だった。絵柄も構図も見たことあるようで見たことないというか。
一見、大学生の落書き漫画なんだけど、センスがずば抜けている。
この人しか描けないんだろうなと思わせて、かつ、おもしろかった。
先は読めないんだけど、ストーリーはまとまっていたような……。柊一くんの感情を真面目に描いてあるからかもしれない。
番外編の終わりの一コマがとても好き。
第六話の姉の回想シーンがとてもよくて「誰のものか知らないが葬式を毎日催して遊んだ」という文章が気に入った。

夕方までに帰るよ (モーニング KC)

夕方までに帰るよ (モーニング KC)

竹野雅人「山田さん日記」感想

山田さん日記 (福武文庫)

山田さん日記 (福武文庫)

あらすじ

進学校にかよっていた「ぼく」は学校をサボった日、山田さん日記というゲームを手に入れる。そのゲームは、山田さんの日常が淡々と繰り返されるだけで、いつまでたっても冒険に進まないものだった。業を煮やした「ぼく」は次第に山田さんに反抗的な行動を取らせるようになるが……。

感想

「山田さん日記」は1988年2月に発表された小説。ファミコンが発売されたのが1983年7月なので、それからおよそ5年後のものだ。
「山田さん日記」はロールプレイングにもかかわらず、ファンタジー的なものが何も起こらない。
学校→バイト→家の繰り返しで、進んでいく。
まるで現実そっくりに形成されたゲーム。
「ぼく」はプレイしていくうちに、現実がゲームのように思えてくる。

「うるせい!」それに従順に応えてしまったのか、そのぼくを煽るゲームの中のぼく自身に腹立たしくなってしまったのか、ぼくはついに込み上げるものを吐き出した。(略)
 おいおい、何てことを言っているんだ、と慌てているぼく自身とは裏腹に、啖呵を切るならもう少し威勢がほしいなあ、コントロールレバーを持ったぼくが、そんなのんきな事を言ってのけたような気がした。p52『山田さん日記』

 現実がゲームのように感じられる、というのはゲームに熱中したことがある人なら一度は感じたことがあるかもしれない。
 時代が時代だから「山田さん日記」はドット絵だけど、いまではグラフィックがかなり進化した。近年で仮想空間のVRゲームも出てくるようになった。
 ゲームという虚構のリアリティにはまってしまう人間を描くという意味では、かなり先行的な作品のように思う。
 作中で扱っているのがドット絵のゲームということで、古びた作品のようにも思えるがゲーマーなら、なかなか楽しめる。

小山竜央『スマホの5分で人生は変わる』感想

スマホの5分で人生は変わる

スマホの5分で人生は変わる



僕は無駄な時間だとわかっているのにネットを眺めてしまう。するべきことがあるときでも気づけば、お気に入りのサイトを巡回している。それも一日に10回以上も見てしまうときがある。
あるときなんて一日中ツムツムをやって人差指が麻痺したようなときもあった。
やめたいと思っていてもやめられない。
そんなときにふとこの本が目に飛び込んできた。

スマホの5分で人生が変わる』には、どうして人がスマホ中毒になってしまうのか、そのメカニズムが書かれている。
たとえば原因の一つとしては「アクセスのしやすさ」がある。その場ですぐにネットやゲームやSNSを開ける。そして一回一回が短い。手軽に何度もアクセスすることによってその行動が習慣化してしまうのだ。
もう一つはスマホをすると「ドーパミンが多く排出される」こと。ドーパミンというのは快楽物質のことで、これがあることによって依存度が高まる。

隙間時間も積み重ねば大変な量になる。一日で平均二、三時間スマホを利用しているというデーターもあるそうだ。
もしこの時間を有意義に使うことができれば、未来の自分の生活は変わったものになるだろう。

スマホにコントロールされるのではなく、スマホをコントロールするためにはどうするか。
この本では、著者のオススメアプリとともにスマホの使い方が紹介されている。

スマホをどう使うのか、ということを改めて考えさせられる一冊だ。

尾崎将也『3年でプロになれる脚本術』感想

3年でプロになれる脚本術

3年でプロになれる脚本術



尾崎将也という名前を知らない人はいても、彼が脚本の、ドラマ「結婚できない男」や「アットホーム・ダッド」を知っている人は多いと思う。
僕はこの2つのドラマがとても好きで、再放送のたびに食い入るように見ていた。

人気脚本家が書いた脚本術ということで、難解なイメージがあるかもしれない。しかし、この本はわかりやすくかつ興味深く書かれている。

僕自身はシナリオライター志望ではなく、小説家志望なのだが、得られるものは多かったと思う。
この手の本にありがちな、どこにでも書いてあるような記述がほとんどないのがとてもよかった。

この本の特色として、アウトプットよりもまずインプットの重要性が描かれているということだ。
砂漠に野菜が育たないように、土壌がしっかりしていないといい脚本を作ることができない。

インプットといってもただ闇雲に名作映画を観ろというのではなく、どういうふうに映画を観て分析すれば自分の力になるかしっかり書かれているので、とても参考になる。

ストーリーを作る考え方も、他の本では見られない著者独自の言葉で説明されている。

たとえば「ストーリーはデジタル、人間はアナログ」とこの本には書かれている。
一見すると何のことだかわからないかもしれない。しかし読んでいくと、なるほどと思わされる。

結婚できない男」の裏話的なものを聞けたのもおもしろかった。

「全クリエーター必見!」と帯に書かれているように、創作に悩んでいる人にはうってつけの本だと思う。
他の脚本術を読んでもいまいちピンと来ない人や伸び悩む人に特にオススメできる本だった。 

作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう! (パリ・レヴュー・インタヴュー I)


軽いノリのタイトルに比べて、作家陣がなかなかの大物ぞろい。資料としても貴重です。
特殊なのは、インタビューの前に小説のような描写があること。
まるで、自分もその場にいるかのような錯覚を味わえます。

作家陣

イサク・ディネセン
トルーマン・カポーティ
ホルへ・ルイス・ボルヘス
ジャック・ケルアック
ジョン・チーヴァー
ポール・ボウルズ
レイモンド・カーヴァー
ジェームス・ボールドウイン
トニ・モリスン
アリス・マンロー
イアン・マキューアン


インタビューだから内容もわかりやすいです。
文学理論書にありがちな難しい言葉はほとんどありません。
インタビュー自体は古いものですが、内容は古びていません。
だけではなく文章を書く人なら、心を打つものが必ずあるでしょう。とても示唆にとんでいます。


作家の個性もふんだんに表れていて、読み物としてもおもしろい本です。
たとえば、ジェームズ・ボールドウィン

なんでも読んだ。十三歳までにハーレムのふたつの図書館を読み尽くした。(p251)

かっこいいですね。

内容についてあまり引用しすぎるのもあれなので、トニ・モリスンの言葉を置いておきましょう。

書いていてむずかしいところは――むずかしいところはいっぱいあるけど――なにも聞こえていない読者にむかってページの上から静かに働きかけることのできる言葉を書くこと。そのためには、言葉と言葉のあいだにあるものにとりわけ注意深く取り組まなくちゃいけない。言葉として出されていないものに。節回しとかリズムとか、そういったもの。書いてるものにしばしばパワーをくれるものは、言葉としては書かれてないものなのよ。(p289)